絵本と反省と

眠い。このあと太郎が寝たら、今日中に入稿をひとつしなければ。今日会社の人に押し付けられた会議、結局ぜんぜん発言とかできなかった。眠い。やっつけ仕事的におさるのジョージを読んでいる。眠い。太郎は全く聞いていない。大人向けの模型列車の絵本を読んでいる。眠い。

「ママこれ読んで〜」

いや、ママこれ読めないよ。だってこれ、文字が読める大人が一人でじっくり読む趣味の雑誌であって、ママが太郎に読み聞かせるような内容じゃないよ。てゆうか、ママの話聞いてないよね?もう絵本読むのやめるよ?

そうたたみかけると、太郎は口をへの字にして、こちらを悲しそうに見つめる。みるみるうちに大きな目に涙が溜まっていく。

あちゃー。

こないだの父の一言が思い出される。「優しくしてやって」

「口すっぱくしていろいろ言うのが母親」じゃないのに。どうして冷たくしちゃうんだろう。かわいい時間は限られてるのに。気が弱いせいで仕事では誰かのことを詰めるなんてできないのに、泣かせるまで子供を詰めて。

太郎が飽きるまで線路の漢字を読んであげればいいものを。おさるのジョージをこなすことがそんなに大事か。

子どもの好きに徹底的に向き合う、私にできることはそれしかないのに。