明るい夜

日曜23:30頃から子が3続けて3回吐く。こんな日もあるかなと思ったら、軽くはすまず、朝7時までに10回以上吐いた。4回目以降からは胃の内容物なしに、げっぷごと吐き出すようにして吐いた。寝ながら吐いて、そのあとはすやすやと寝るのだった。

最初はうろたえて必死に夫を呼んでいた私も、だんだん慣れてきた。お腹のゴロゴロ鳴る音が聞こえたらすぐ目を覚まし、顔を横に向かせてタオルを当てがう。産後「子育て中は何かと入り用だから…」と大量に貰ったお年賀タオルを使い尽くすほど。捨てないでよかったと4年越しに思った。

そうやって夜中に何度も起きてゲロ処理をしていると、なんだか新生児の頻回授乳を思い出した。眠りに落ちかけたところでアギャアと泣き、授乳してまたウトウト、を繰り返したな。

結局この日はほとんど眠れなかったけれど、いたわりの気持ちだけで接することができた。それは、あの夜間授乳をなんとなく思い出していたからだと思う。全く赤子が寝ないあのころは、「いつ寝るのいいかげんにしてよ」と本当にイライラしたときもあったけれど、手のかかる時期が終わってしまったことが、心の深い深いところでは寂しかったのかもしれない。わが子は、まだまだ手がかかる。

翌日は登園をお休みした。夕方から東京に初雪が降った。積もった雪を見て、子は「ワア〜」とややファルセットな声で喜んでいた。私もなんだか嬉しかった。雪の夜はカーテン越しにほんわりと外の明るさを感じる。いつもと違う明るい夜。

絵本を読み、歯磨きを終えて、洗面所から戻ると珍しく子はすでに寝ていた。カーテンを引いて寝るとき、もう一度外の明るさを一人で眺めた。静かだった。

今日は夫が出張で帰ってこないので、ベッドを大きく使おうと思って夫の場所で寝ようとしたら、子がすり寄ってきて結局ベッドの端っこで寝ている。幸せだ、と思う。

やはり子育ての幸せは、不便さのなかにあるのかもしれない。